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B→C

大きく大きく吸い込んだ息を
クラリネットへ吹き込む。プレリュード。
~ coda  / ソロクラリネットのための組曲より~



すると…。

バッハが歩いている時代の
その町の中にいるような曲が流れ出した。
…ココハ、ドコ?…



息継ぎする間すら惜しむように
次から次へと音を綴るクラリネットは
あたたかい音色で会場を包み込んでいって…。



曲が進むにつれて
バッハの居る町の中に
ちょっとずつ coba が顔を覗かせ始めるのだけれど
フィナーレには
曲の中に coba がいっぱいで

バッハの居た時代から
いつの間にか今に戻ってきたコトに気付き
感動…。



未来見たさで coba に手を引かれ
チョット、バッハが今の時代について来たような
そんなカンジのフィナーレには
ホロリときてしまった。



バッハからコンテンポラリーへ

一曲の中で
時空を自由に行き来して
旅するコトが出来るなんて
感動デス。



あの日
演奏されなかったフーガを
いつの日か聴くコトが出来ますようにと
お空の星に祈ったのは云うまでもなく
しっかりと祈ってしまったのでした。



あと…。
Alban Berg の曲では

弱さでくるんだ強さのような
綺麗な薔薇の花のトゲのような
あの曲は

けして美しい調べとは言い切れないけれど
じわっと心に広がるあの感覚を
意外にも嫌いじゃないと思った自分に驚きました。



アンコールのプッチーニは
経種廉彦のありったけの想いと声を出しきったラストに
じぃ~ん…。



ふむ。



会場を出て
ツリーの下で温かい紅茶をいただけば
音の余韻とツリーの光の溶け合った
あったかい湯気がふわりと頬を撫でてくれたっけ。




東京オペラシティ リサイタルシリーズ
B→C
(ビートゥーシー/バッハからコンテンポラリーへ)

クラリネット:小谷口直子
ピアノ:小山京子
テノール:経種廉彦



では、また。でございます。tomo
 

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2010/01/08 02:32 | らくがきのおと

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